尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで、性器や口腔に発症する性感染症です。尖圭(せんけい)コンジローマの原因となるヒトパピローマウイルスは、子宮頸がんの原因となるハイリスク型ヒトパピローマウイルスとは異なり、ローリスク型の6型・11型です。 性行為や口腔性交、キスを介して、性器や口腔内に感染が起こります。
性器や肛門の周りに、乳頭状もしくはニワトリのトサカのようなイボが発生する特徴があります。
イボを全て取り除くことは難しく、外科療法でイボを除去してもウイルスが身体の中に残ってしまうため、再発リスクは高いです。
また、母親が感染した状態で出産してしまうと、母子感染する恐れがあります。
症状
- 乳頭状、カリフラワーや鶏のトサカに似たイボが出る
- 性器や肛門の周りに、赤色やピンク色のイボが出る
- 炎症すると痛みや痒みが出る
- 進行するとイボが大きくなったり増えたりする
上記の症状は、男性・女性どちらでもみられる症状です。自覚症状が少ないため、進行してイボが目立つようになってから発症に気付く方も少なくありません。
治療方法
外科治療と薬物療法、液体窒素による凍結療法の三種類があります。
外科治療では、電気メスを使ってイボを根元から除去します。薬物療法は、患部に軟膏を塗布する治療です。
尖圭コンジローマを発症した患者様のうち、約25%の方が3ヵ月以内に再発すると言われています。そのため治療が終わった後でも、再発していないかどうかを定期的に確認することが必要です。
当院は軟膏のみの処方となります
予防
コンドームで感染を予防することは可能ですが、性器以外の部位に感染するケースもあるため、完璧な予防法ではありません。
また、母親が感染したまま出産してしまうと、赤ちゃんにもうつってしまう恐れがあります。そのため、妊婦健診の時点で確認することは極めて重要です。
4価以上の子宮頸がんワクチンでしたら、尖圭コンジローマの予防効果が得られます。ただし現在の日本国内では、ワクチンの副反応に対する不安感を抱く方が多いことから、なかなか普及されていません。対して欧米では、ワクチン接種の普及率が進んでいると言われています。
パートナーが尖圭コンジローマに感染している場合は、ご自身に自覚症状がなくても、速やかに検査を受けましょう。